2015年12月25

ミスカミスカ®物語19

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用10:
動脈硬化と糖化およびミスカミスカ®の効用
動脈硬化の主要因の一つは血液および血管の糖化反応において生成した最終糖化産物(AGEs)の血管内膜への沈着です。ミスカミスカ®はこのAGEsの生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています(ミスカミスカ®物語14で紹介しました)。ミスカミスカ®の利用により動脈硬化の抑制が期待できます。

動脈硬化とは
動脈は、心臓から身体のすみずみまで血液(酸素と栄養素を含む)を運ぶ重要な役割を持っています。この動脈が年齢と共に老化して、弾力性を失って硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して、血管が狭くなったり、血液の流れが低下する状態を動脈硬化といいます。
動脈硬化は次の3種類に分類されています。

1)粥状硬化
大動脈、冠動脈,脳動脈などの太い動脈の内膜に粥状物質(アテローム)がたまり、血管が狭くなり、血流障害(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)を引き起こし、生命にかかわる重大な疾患の原因となる危険な動脈硬化で、アテローム硬化とも言われています。臨床的に最も主要な動脈硬化で、一般に「動脈硬化」は粥状硬化を指します。この硬化には複数の機序が関与しますが、最も大きい要因は糖化、酸化および糖酸化されたLDL(低密度
リポタンパク質)が血管の内膜に蓄積することよる症状です。

2)中膜硬化
動脈は内側から内膜、中膜、外膜の3層構造です。その中膜に石灰が沈着し、血管が硬くなります。この動脈硬化はメンケベルク型動脈硬化とも言われています。臨床的には問題の少ない動脈硬化です。

3)細小動脈硬化
脳や腎臓の細い動脈の血管壁が老化などにより弾力性をなくし、硬くなる症状です。ラクナ梗塞といわれる小梗塞を起こす恐れがあります。


LDL
 LDLは血中リポタンパク質の1種で、その組成はタンパク質(アポリポタンパク質B) 20%、トリアシルグリセライド(中性脂肪)10%、コレステロール45%、リン脂質25%からなります。LDLは、われわれの身体の構成単位の細胞の細胞膜の構成成分はじめ生体内で重要な働きをしているコレステロールを末梢組織へ運搬するという機能を持っています。しかし、LDLが過剰になると動脈硬化促進因子になるというマイナス面があります。

LDL受容体の機能
LDLから末梢組織へのコレステロールの受け渡しは末梢組織の細胞膜に存在するLDL受容体を介して行われます。この受容体は、LDLに含まれるアポリポタンパク質Bを認識して、これと結合します。LDLと受容体の複合体は細胞内に取り込まれ、細胞内で受容体とLDLが離れて、LDLだけ細胞内に取り込まれ、受容体は再び細胞膜へ戻って同じ機能をします。

粥状硬化
 この粥状硬化の主原因物質は、図1に示す血液中の糖化・酸化反応により生成した糖化、酸化、糖酸化修飾されたLDL(=AGEs)です。末梢組織の細胞膜に存在するLDL受容体はアポリポタンパク質Bのみを認識して、LDLを細胞内に取り込みます。しかし修飾されたLDLは認識しません。そのため血液中に残り、血管内膜に沈着します。これをマクロファージが取り込みます。マクロファージは取り込み過ぎると泡沫細胞に変化して、機能を失います。機能を失った泡沫細胞は粥状のアテロームとなり、血管内膜に沈着して、血管内腔をどんどん狭くして、動脈硬化を発症します。

ミスカミスカ®の効能
 ミスカミスカ®は動脈硬化の主原因である糖酸化LDLはじめ血液中および血管でのAGEsの生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により動脈硬化の発症抑制が期待できます。

   (文責 光永俊郎)




プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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