2013年06月18

ミスカミスカ®物語 9

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の腸内環境改善効果2:善玉菌の増殖促進作用
 ミスカミスカ®は抗α‐グルコシダーゼ活性とともに腸内細菌の善玉菌に対して直接増殖促進作用を持つことが培養試験と動物試験で示唆されています。ミスカミスカ®の利用により腸内環境改善効果とともに発ガン予防やアレルギー抑制効果が期待できます。

培養試験によるミスカミスカ®の善玉菌への増殖促進作用
 対照培地、グルコース添加培地、ミスカミスカ®添加培地を用いて乳酸菌およびビフィズス菌の培養試験を行ったところ、ミスカミスカ培地は他の2培地と比較して両善玉菌の増殖が認められました。ミスカミスカ®には善玉菌の増殖および代謝活性を選択的に刺激するプレバイオティクス的機能があると推測されます。

動物試験によるミスカミスカ®の腸内環境への影響
 試験動物としてラットを用いて腸内環境に及ぼす影響を検討しました。その結果、対照群に対してミスカミスカ®摂取群には明らかに盲腸内容物について 
①重量の増加 ②水分含量増加 ③pHの低下 ④アンモニア態窒素およびインドール、-クレゾールなど悪玉菌の産生する腐敗産物の低下 ⑤乳酸桿菌およびビフィズス菌の増加 ⑥クロストリジウムの減少
が認められました。
 さらにラットの糞の総乾燥重量について対照群と比較すると、ミスカミスカ®摂取群に重量増加が認められました。このミスカミスカ®摂取による排便量の増加の理由については、乾燥人糞の内容物は食物残渣が10~15%に対して腸壁細胞組織の離脱物と腸内細菌の残骸が85~90%を占めている事実より類推して、ラットがミスカミスカ®を摂取することにより腸の新陳代謝が活発になり、腸壁細胞組織の離脱が盛んになったとともに増殖した善玉菌の影響により排便量が増加したと考えられます。

腸内における乳酸桿菌、ビフィズス菌の機能
 乳酸桿菌、ビフィズス菌は腸内において以下のような働きをすると考えられています。
1.酢酸、乳酸、酪酸などの有機酸を産生する。
  酢酸、乳酸、酪酸などの有機酸が産生することで
(1)腸管の蠕動運動を亢進し、排便を促進することにより便秘を改善する。また、腸管内の浸透圧を高腸管からの水分泌を促進し、便量を増加させる。この作用により、便の滞留による腹痛や不快感を緩和させるとともに、便の腸内での滞留時間が短くなり、腐敗産物などの再吸収が抑制され、様々な大腸関連疾患の発症を軽減する。
(2)腸内のpHを低下させることで、

(ⅰ)悪玉菌の増殖を抑制する。そのことにより、アンモニア、アミン類などの腐敗物質、細菌毒素、発ガン物質など産生が低減される。
(ⅱ)サルモネラ、腸管出血性大腸菌などの病原性細菌の増殖を抑制する。
(ⅲ)短鎖脂肪酸は大腸粘膜の栄養源として利用され、大腸の機能を活性化する。

2.アレルギーを低減する。
この善玉菌によるアレルギー抑制機構の一つは、善玉菌の体構成成分によりTh1細胞が活性化され、免疫グロブリンEの産生を抑制することによるアトピー性疾患や花粉症などの即時型アレルギー反応を抑制する。
3.がんの発症を抑制する。
 
アレルギー反応を抑制するとともに免疫力を高めるために善玉菌がマクロファージの活性化や消化管関連リンパ系組織を介しての免疫グロブリンA産生を促進することによる大腸ガン、乳ガン、膵ガンなどの発症を抑制する。
(ⅰ)大腸ガン発症促進機序
脂肪の消化・吸収の補助の目的で小腸に分泌された胆汁の一部が大腸に送られ、その成分の一次胆汁酸(コール酸、デオキシコール酸)は大腸内で悪玉菌により二次胆汁酸(デオキシコール酸、リトコール酸)に代謝される。この二次胆汁酸が細胞増殖を亢進させることより、また、食品由来のコレステロールが悪玉菌により代謝されて産生した変異原物質が大腸粘膜細胞の遺伝子を傷害することにより、大腸ガンの発症が促進される。
(ⅱ)大腸ガン発症抑制機序 
善玉菌により産生した短鎖脂肪酸により腸管内のpHが酸性になり変異原活性が抑制されることにり、また、短鎖脂肪酸の酪酸が大腸粘膜細胞のアポトーシス亢進を引き起こすことにより、ガン発を抑制する。
ミスカミスカ®の効能
スカミスカ®に対する薬理試験、培養試験、動物試験により、ミスカミスカ®は乳酸桿菌やビフィズス菌などの善玉菌の増殖促進および腸内環境改善の機能があることが検証されました。ミスカミスカ®の利用により便秘の改善アレルギー低減大腸ガン発症抑制、さらに、大腸が体内最大の免疫臓器として機能し健康の発信源になることが期待できます。


                                                            (文責 光永俊郎)
 

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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