2013年04月22

ミスカミスカ®物語 8

テーマ:ミスカミスカ

ミスカミスカ®の腸内環境改善効果1:抗α-グルコシダーゼの活性

ミスカミスカ®はマルトース(麦芽糖)やスクロース(蔗糖)などの二糖類やオリゴ糖を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きのあることが薬理試験で検証されています。ミスカミスカ®を利用すると二糖類やオリゴ糖は小腸で消化・吸収されず、大腸に送られます。これらの糖は大腸で乳酸桿菌、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を促進して、腸内環境を改善し、アトピー性疾患の発症抑制や花粉症の軽減などのアレルギー抑制効果が期待できます。

腸は最大の免疫臓器
 腸は毎日摂取した食物を消化・吸収して、エネルギーを供給するとともに、生成した老廃物を排泄する重要な器官であることは周知のことです。さらに、最近になり、腸は粘膜に被われていますが、そこには巧妙でかつ柔軟性のある粘膜免疫システムが存在し、体内最大規模の免疫系として機能しており、この機能に大きな影響を与えているのが、腸、特に大腸に多量に生息している細菌群であることが明らかになりました。この細菌群は腸内細菌と呼ばれています。大腸の免疫機能は、腸内細菌との共生によってのみ、はじめて成立します。この共生が破綻しますとアレルギー、感染症、ガン、高血圧、肥満、便秘などの疾病や不調の発現のリスクが高まります。

腸内細菌
 ヒトの腸には約1,000種類以上、菌数にして100~1,000兆個の膨大な数の腸内細菌が、主に大腸に生息しています。これらの細菌は身体に有益に働く善玉菌、逆に悪影響を与える悪玉菌、普段はあまり影響を及ぼさない日和見菌の3種類に分けられます。善玉菌は乳酸桿菌ビフィズス菌で、腸内細菌の20、悪玉菌はウエルシュ菌を含むクロストリジウム大腸菌10、残りの70%は日和見菌が占めています。この217という比率が健康を保持する上で必要なバランスといわれています。問題は全体の約70%を占める日和見菌です。その名の通り、善玉菌、悪玉菌のいずれかが優位なると、すぐに強い方になびいていきます。日和見菌が善・悪玉菌のどちらかになびくことによって大腸の働きに変化が起こります。善玉菌が優位になると大腸内で発酵が起こり、腸内環境が改善されます。逆に悪玉菌が優位になると大腸内で腐敗が起こり、発ガン物質(ニトロソ化合物など)や発ガン促進物質(二次胆汁酸など)を産出します。これらの物質は直接腸管壁を介して血流に乗り、全身に送られて、免疫系に悪影響を与えます。

プロバイオティクスとプレバイオティクス
 ヒトの健康を保持・増進させる上で大切なことは腸内細菌の善玉菌をいかに優位に保つかということです。腸内細菌のバランスによって、大腸は健康の発信源にも病気の発信源にもなります。
 プロバイオティクスとは大腸を健康の発信源にする乳酸桿菌やビフィズス菌の善玉菌を指す言葉です。このプロバイオティクスすなわち善玉菌の栄養源となり、増殖や代謝活動を選択的に刺激する物質がプレバイオティクスです。代表的なプレバイオティクスは小腸で消化・吸収されないフラクトオリゴ糖などのオリゴ糖や難消化性デキストリンなどの食物繊維です。ミスカミスカRの利用により小腸で消化・吸収されず大腸に送られるマルトースやスクロースもプレバイオティクスとして機能します。

 
アレルギー
 アレルギーは一般には無害な生活環境中での物質(抗原)-食物タンパク質、花粉など-に対して免疫系が過剰あるいは異常に反応して発症する疾病です。皮膚炎、喘息、鼻炎、結膜炎など症状を発現する即時型のアレルギー反応で、すべて免疫グロブリンE(IgE)によって引き起こされます。

アレルギーと腸内細菌
 最近になりこの即時型アレルギー反応の低減には腸内細菌の刺激による免疫力の増進、免疫系の正常な発達が必要であることが明らかにされています。研究事例として、腸内細菌として乳酸桿菌とビフィズス菌が多く、ウエルシュ菌の少ない乳幼児と逆の悪玉菌が多く、善玉菌の少ない乳幼児とでは、明らかに前者のアレルギー発症率が低いこと、また、善玉菌による鼻炎、花粉症はじめ幼児の食物アレルギーの発症率が低いという報告が数多く発表されています。
 この善玉菌によるアレルギー抑制機構の1つは、善玉菌の体構成成分であるペプチドグリカンやリポタイコ酸が腸管上皮細胞の受容体を介してマクロファーを刺激しIL- 12産生が誘導され、Th1細胞/Th2細胞バランスがTh1細胞よりに傾き、IgEの産生を抑制することによると考えられています。

ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®はマルトース、スクロースやオリゴ糖を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きのあることが薬理試験で検証されていますミスカミスカ®を利用すると二糖やオリゴ糖は小腸で消化吸収されず、大腸に送られます。これらの糖は大腸でプレバイオティクスとして機能し、乳酸桿菌、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を促進して、大腸の免疫機能を改善し、皮膚炎、喘息、鼻炎、結膜炎などの発症抑制や花粉症の軽減などの即時型アレルギーに対しての抑制効果が期待できます
 
                              (文責 光永俊郎)
 

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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