2014年02月07

ミスカミスカ®物語 13

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用4:生体内糖化反応2
生体内ではすべての組織でグルコースとタンパク質は常に接触していますので、
両成分間による糖化反応が起こり、安易にAGEsが産出されます。このAGEsは老化や
肌のたるみ・弾力低下はじめ糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などの発症の原因になります。生体内では、この非酵素的反応である糖化反応の影響を避けることができません。 ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物((Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®
の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。

生体内糖化反応機構
生体内の糖化反応も反応機構はPDF図1に示すように食品の場合と同じですが、反応出発物のカルボニル化合物はグルコースで、一方のアミノ化合物はタンパク質に限られます。また、反応条件は食品系に比べて極めて温和です。
 
生体内の糖化反応の初期段階はグルコースとタンパク質を構成しているアミノ酸の中の
N末端アミノ酸のアミノ基、リジン残基のε‐アミノ基、アルギニン残基のグアニジノ基とのシッフ塩基の形成から始まります。次いでアマドリ転移によるアマドリ生成物です。 

 この生成物は中間段階で脱水、加水分解、炭素間の開裂により、不安定な反応性に富んだグルコソン、グリオキール(GO)3-デオキシグルコソン(3-DG)、メチルグリオキサー(MG)などのα‐ジカルボニル化合物になります。特に3-DGMGはグルコースの10000倍の反応性を有します。この化合物は脂質の過酸化によっても生成します。
これらのジカルボニル化合物は終期段階でタンパク質の未反応のアミノ酸残基のN末端アミノ基、ε‐アミノ基、グアニジノ基などに作用して種々のAGEsを生成します。      
現在までに明らかにされているAGEsには非架橋性のAGEsと架橋性のAGEs の2種が認められています。
前者はPDF図2に示すCML (Nε-carboxylmethyl lysine Nε-カルボキシメチルリジン),
CEL(Nε-carboxylethyl lysine  Nε-カルボキシエチルリジン), CMA(カルボキシメチルアルギニン((carboxylmethyl) arginine)、ピラリン(pyrraline) はじめイミダゾロン(imidazolon)などです。
後者はPDF図3に示すクロスリン(crossline)、ピロピリジン(pyropyridine)、ペントシジン(pentosidine)はじめグリオキザール-リジンダイマー(glyoxal-lysine dimer)、メチルグリオキザール‐リジンダイマー(methyl-glyoxal-lysine dimer)などです。
 
 このような生体内の糖化反応により産生したAGEsが蓄積することによって、さまざまな疾病が発症します。それとともに、逆に糖尿病のような疾病の発症に伴って糖化反応が促進される場合もあります。
 
                             (文責 光永俊郎)

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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