2015年09月11

ミスカミスカ®物語18

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用9:
糖尿病と糖化およびミスカミスカ®の効用3
ミスカミスカ®はマルトース(麦芽糖)やスクロース(蔗糖)を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きがあることが薬理試験で検証されています(ミスカミスカ®物語7で紹介しました)。またミスカミスカ®は生体内での糖化反応において最終糖化産物(AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています(ミスカミスカ®物語14で紹介しました)。ミスカミスカ®の利用により糖尿病血管合併症の発症抑制が期待できます。

糖尿病血管合併症
糖尿病血管合併症とは糖尿病を発症してから数年を経て発現する疾病です。糖尿病で血糖をコントロールする目的はほとんどこの合併症を予防するためです。糖尿病血管合併症は多彩で、体内のあらゆるところで発症します。特に糖尿病性神経障害(末梢神経の疾病)、糖尿病性網膜症(目の疾病)、糖尿病性腎症(腎臓の疾病)は糖尿病三大合併症といわれています。


糖尿病三大合併症
糖尿病による慢性的な高血糖が続くと、血液中での糖化反応が亢進し、その結果AGEsが生成し、血管内に蓄積されると、種々の疾病が発症します。特に毛細血管など微小血管の発達した代謝活性の高い組織である、末梢神経系、網膜、腎臓で発症した小血管障害は糖尿病三大合併症といわれています。
 この小血管障害は血糖のコントロールなく糖尿病が進行すると発症します。特に神経障害は比較的早期から出現します。網膜症は糖尿病発症から5年ほどで、次いで腎症が出現します。一般に網膜症の発症がなく、腎機能障害が発現した場合は、原因は高血圧などの別の疾患による可能性があります。


1)糖尿病性神経障害
われわれの神経系は中枢神経系(脳と脊髄)と全身に分布する末梢神経系に大別されます。末梢神経系はその働きから体性神経系と自律神経系に分けられます。体性神経系は感覚(知覚神経)と運動(運動神経)に関する調節を行っています。自律神経系は消化や循環といった意志と無関係に反応する器官(内臓、血管など)などの働きを調節しており、互いに拮抗して作用する交感神経と副交感神経とからなっています。
 糖尿病性神経障害は末梢神経系の障害です。初期症状は手足のしびれなど知覚神経障害から始まり、進行すると運動神経障害が起こり、筋肉に力が入りにくくなったり、顔面神経麻痺などの症状が現れます。さらに怪我や火傷をしても気付かず化膿して壊疽を起こすこともあります。さらに進行しますと自律神経障害が起こり、体内の内臓機能を調節が不能になり、血圧や脈拍の調節バランスが崩れ、便秘、下痢、起立性低血圧(立暗み)、排尿困難,インポテンスなどの症状が現れます。これらの障害が重症化すると無痛性心筋梗塞、無自覚性低血糖など危険な状態を引き起こします。


2)糖尿病性網膜症
目の主な構造と機能は、カメラのレンズの役目を果たす水晶体とフイルムの役目を果たす網膜です。網膜で小血管障害が発症しますと、初期は小さな出血や白斑が現れます。進行すると眼底出血や黄斑浮腫が生じます、さらに進むと糖尿病性網膜症が発症して網膜剥離や網膜の前の硝子体に混濁が現れ、失明します。

3)糖尿病性腎症
腎臓は血液の浄化器官です。その機能は左右の腎臓にそれぞれ約100万個、計200万個あるネフロンによって担われています。ネフロンの構造は腎小体と尿細管からなり、腎小体は糸球体とそれを包むボーマン嚢からできています。この糸球体が血液をろ過して、浄化する役目を果たしています。
 腎臓で小血管障害が発症しますと、糸球体が硬化して、機能しなくなります。これが進行すると徐々にその数を減らしていきます。それに伴い腎臓の機能が低下して、糖尿病性腎症を発症し、人工透析に頼らなければならなくなります。


ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®はマルトース(麦芽糖)やスクロース(蔗糖)を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きがあることが薬理試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により食後の過血糖の改善が期待できます。またミスカミスカ®は生体内でのAGEsの生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により小血管障害による糖尿病血管合併症の発症抑制が期待できます。
(文責 光永俊郎)

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

最近の記事RECENT ENTRIES

テーマ一覧THEME

過去の記事ARCHIVES

製品情報PRODUCTS