2013年03月08

ミスカミスカ®物語 7

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖尿効果:抗α-グルコシダーゼ活性
 
ミスカミスカ®はマルトース(麦芽糖)やスクロース(蔗糖)を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きがあることが薬理試験で検証されています。栄養素の炭水化物はグルコースなどの単糖にならないと小腸から吸収されて体内に入らないので、ミスカミスカ®の利用によりα-グルコシダーゼの活性が阻害されると、食後の過血糖が改善されて抗糖尿効果が期待できます。
糖尿病
 糖尿病は血糖値(血液中のグルコース濃度)が病的に高い状態を指す病名です。血糖値は、インスリン、グルカゴン、コルチゾールなどのホルモンの働きによって正常な人では常に一定範囲に調節されています。しかし、いろいろな原因によってこの調節機構が破綻すると血糖値が異常に高くなり、糖尿病を発症します。我が国での、糖尿病の診察基準は空腹時血糖126㎎/dl以上、随時血糖値200㎎/dl以上、ヘモグロビンA1c濃度(HbA1c%)6.5%以上です。糖尿病は調節機能の破綻の様式の違いにより1型と2型に分けられています。1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島のβ-細胞が破壊されて、インスリンの分泌が極端に低下するか、ほとんど分泌されなくなって発症します。その原因は主に自己免疫性です。患者の多くは10代から始まり、インスリン注射などの治療を常に必要とします。2型糖尿病は遺伝的因子と生活習慣が絡み合って発症します。治療は①生活習慣の改善(食事療法、運動療法)、②食事の際に炭水化物(ブドウ糖)の吸収を抑えて血糖値を上げない、③インスリン注射、といった3つの方法があります。
炭水化物(糖質)の消化・吸収
 私たちが毎日摂取する食事に含まれる炭水化物には糖質と食物繊維があります。前者は消化・吸収されて血糖となり、さらにエネルギー源になる炭水化物です。後者は消化・吸収されない炭水化物です。前者は大きく単糖類、二糖類、多糖類の3つに分けられます。単糖類は糖質の最小単位でグルコース (ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどがあります。二糖類は単糖が2つ結合したもので、マルトース(麦芽糖)、スクロース(蔗糖)、ラクトース(乳糖)などがあります。多糖類は多数の単糖が結合したもので、デンプンやグリコーゲンなどがあります。穀類、イモ類、豆類、種実類の代表的な糖質はデンプンで、グルコースが多数結合した高分子物質です。
 私たちが食事で炭水化物を摂取すると、グルコースなどの単糖は口から小腸まで変化なく、小腸の粘膜から直接吸収されて体内に入り血糖になります。マルトースなどの二糖類は口から小腸までは変化なく送られますが、小腸の粘膜のα-グルコシダーゼで単糖に分解されて吸収されます。もしこの酵素で分解されないと吸収されず、大腸に送られます。多糖類のデンプンは、先ず口で唾液中の酵素アミラーゼによって分解されて、その一部が二糖類のマルトースに分解されます。ご飯を口に入れてよく噛み続けると甘くなってくるのはマルトースができたからです。そして唾液の混ざったデンプンを含む食べ物は胃を通って小腸に運ばれると、膵臓から分泌された膵液中のアミラーゼによって完全に分解されてマルトースになり、小腸の粘膜のα-グルコシダーゼにより単糖のグルコースに分解され、吸収されて血糖になります。α-グルコシダーゼが働かないと吸収されずに大腸に送られます。食べ物中の糖質はすべて小腸で単糖にまで消化されないと吸収されずに大腸へ送られるため血糖にはなりません。
ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®には薬理試験の結果マルトースやスクロースの二糖類を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きがあることが検証されていますミスカミスカ®の利用により小腸粘膜のα-グルコシダーゼの活性が阻害されると、二糖類や多糖類のデンプンは消化吸収されませんので、血糖の上昇が抑制されて、食後の過血糖が改善され、抗糖尿効果が期待できます。
 
                             (文責 光永俊郎)
 

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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