2013年09月19
ミスカミスカ®の抗糖化作用2:食品の糖化反応
アミノ基を有するアミノ酸やタンパク質とグルコースなどのカルボニル化合物との間で容易に起こる非酵素的化学反応は糖化反応と呼ばれています。古くより食品の調理・加工・貯蔵において食品の品質形成や劣化に関する成分間反応として注目されています。近年、この反応は生体内でも起こり、老化、糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などにも関与することが明らかになり、食品以外の新しい分野の課題として研究が展開されています。
ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。
食品の糖化反応
食品の糖化反応機構は図1に示すごとくです。反応は初期段階、中間段階、終期段階と3段階に分けられて説明されています。初期段階では無色であり、中間段階では無色から淡黄色に、後期段階で褐色色素のメラノイジンを生成します。そのため食品では糖化反応は非酵素的褐変反応とも呼ばれています。
H H
l l
R-C-CHO+R’-NH2⇔R-C-CH=NR’→R-C-CH2-NH-R’ (初期段階)
l l l l
OH OH O
カルボニル+アミノ⇔シッフ塩基 → アマドリ生成物・・・・・・初期段階
化合物 化合物 ↓ ↓
開裂生成物・・・・・・・・中間段階
↓
糖化最終生成物(メラノイジン)・・・・終期段階
図1食品の糖化反応機構
初期段階は、まずアミノ基の窒素原子がカルボニル基の炭素原子への求核的反応による
C-N結合の生成から始まります。この反応は非酵素的に常温で安易に起こります。最初の反応はシッフ塩基の生成で、これは容易に加水分解される可逆反応です。さらにアマドリ転移によってアマドリ転移生成物を与える段階までです。
中間段階は、シッフ塩基もしくはアマドリ転移生成物が分子開裂を起こして、これらから1,2-または2,3-エノール化が起きてα-ジカルボニル化合物などの化学的に不安定な開裂生成物(オソン類など)を与える段階です。
終期段階は、中間段階で生成したオソン類は出発物質のグルコースなどより反応性が高く、アミノ化合物と反応およびそれらの間での重合反応により糖化最終生成物(褐変物質メラノイジン)を生成する段階です。
メラノイジンは単一化合物でなく、窒素、酸素を含む複雑な構造単位からなる化合物で、その全構造は未だ明らかにされていません。
食品系の糖化反応では好ましい品質形成は醤油、味噌などの褐変と調理・加工の加熱時に生成する香りです。特に香気成分の生成は、ピーナッツ、ゴマ、コーヒーなどの焙煎時の香り、クッキーや焼き肉の香りなど、それぞれに食欲をそそる独特の香りです。これは糖化反応の過程で生じたα-ジカルボニル化合物とアミノ酸が脱水縮合してできた化合物が、さらに酸化的脱炭酸化を受けて、アルデヒド類、ピラジン類、フラノン類の生成によります。これらは糖化反応の副反応ですが、この反応はストレッカー分解と呼ばれています。しかし、食品系の糖化反応は多くの場合、食品の褐変、アミノ酸の消失によるタンパク質の栄養価の低下、消化率の低下、変異原の生成など食品の劣化反応です。
ミスカミスカ®物語 11
テーマ:ミスカミスカ
アミノ基を有するアミノ酸やタンパク質とグルコースなどのカルボニル化合物との間で容易に起こる非酵素的化学反応は糖化反応と呼ばれています。古くより食品の調理・加工・貯蔵において食品の品質形成や劣化に関する成分間反応として注目されています。近年、この反応は生体内でも起こり、老化、糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などにも関与することが明らかになり、食品以外の新しい分野の課題として研究が展開されています。
ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。
食品の糖化反応
食品の糖化反応機構は図1に示すごとくです。反応は初期段階、中間段階、終期段階と3段階に分けられて説明されています。初期段階では無色であり、中間段階では無色から淡黄色に、後期段階で褐色色素のメラノイジンを生成します。そのため食品では糖化反応は非酵素的褐変反応とも呼ばれています。
H H
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R-C-CHO+R’-NH2⇔R-C-CH=NR’→R-C-CH2-NH-R’ (初期段階)
l l l l
OH OH O
カルボニル+アミノ⇔シッフ塩基 → アマドリ生成物・・・・・・初期段階
化合物 化合物 ↓ ↓
開裂生成物・・・・・・・・中間段階
↓
糖化最終生成物(メラノイジン)・・・・終期段階
図1食品の糖化反応機構
初期段階は、まずアミノ基の窒素原子がカルボニル基の炭素原子への求核的反応による
C-N結合の生成から始まります。この反応は非酵素的に常温で安易に起こります。最初の反応はシッフ塩基の生成で、これは容易に加水分解される可逆反応です。さらにアマドリ転移によってアマドリ転移生成物を与える段階までです。
中間段階は、シッフ塩基もしくはアマドリ転移生成物が分子開裂を起こして、これらから1,2-または2,3-エノール化が起きてα-ジカルボニル化合物などの化学的に不安定な開裂生成物(オソン類など)を与える段階です。
終期段階は、中間段階で生成したオソン類は出発物質のグルコースなどより反応性が高く、アミノ化合物と反応およびそれらの間での重合反応により糖化最終生成物(褐変物質メラノイジン)を生成する段階です。
メラノイジンは単一化合物でなく、窒素、酸素を含む複雑な構造単位からなる化合物で、その全構造は未だ明らかにされていません。
食品系の糖化反応では好ましい品質形成は醤油、味噌などの褐変と調理・加工の加熱時に生成する香りです。特に香気成分の生成は、ピーナッツ、ゴマ、コーヒーなどの焙煎時の香り、クッキーや焼き肉の香りなど、それぞれに食欲をそそる独特の香りです。これは糖化反応の過程で生じたα-ジカルボニル化合物とアミノ酸が脱水縮合してできた化合物が、さらに酸化的脱炭酸化を受けて、アルデヒド類、ピラジン類、フラノン類の生成によります。これらは糖化反応の副反応ですが、この反応はストレッカー分解と呼ばれています。しかし、食品系の糖化反応は多くの場合、食品の褐変、アミノ酸の消失によるタンパク質の栄養価の低下、消化率の低下、変異原の生成など食品の劣化反応です。
(文責 光永俊郎)